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伝道標語
心空浄智、邪正無し、箇裏知らず何をか縛脱す

月遅れのお盆が過ぎますと、暑かった夏も、朝夕次第に秋の気配を感じるようになります。

暑さに強い人、弱い人、感じ方に違いはあっても、生きていく限り互いに風雨寒暑をうまく乗り越えていかなければなりません。

人生に於いても、それぞれの性格の違う者同士、さまざまな出会いと、ふれあいを通して生きているわけです。しかし、どうしても気の合わない嫌いな人との出会いがあります。その時は、大変苦痛を抱き、嫌いな人と出会わないよう「四苦八苦」します。

この「四苦八苦」という言葉、日常よく使われています。

本来、お釈迦様が示されました人間の「苦」、避けたくても避けて通れない苦の現状を八個に分けて教えられたものです。 その中の一つに「怨憎会苦」つまり、怨み憎む人と会う苦しみがあるとされています。

それは、生きている限り、大人も子供も同じ様に、その苦をかかえながら人生を送り続けることです。

その事を一人一人が、充分踏まえていないと悩み苦しんでいる子供の気持ちも気づかず、見過ごしてしまうことになります。

「怨憎会苦」の延長にある痛ましい事件の報を聞くたび、何でも語り合い相談し合える家庭や地域社会など人と人との「絆」をより一層強めねば、と思うところです。

この「怨憎会苦」は、生老病死のように総ての人が等しく受ける苦よりも、それぞれが持つ感受性により受け取り方が異なり、結果として個人差が生じがちです。

 

瑩山禅師の著書『伝光録 大医禅師章』に「心空浄智しんくうじょうち 邪正じゃせい 無し、箇裏こり知らず何をか縛脱ばくだつす。

…心は空であり、浄らかな大智には邪も正もない。このところを知らないで、何に縛られ、何から解脱するというのか。」とあります。

 

私達は、悩み苦しみがあるといつまでも頭から離れず、こころを捉われてしまいます。 しかし、その苦しみの原因は、避けて通りたいと目をそむけるそれぞれ自分自身のこころより生じるものです。まずは「避けたい」とあたふたする自分自身の有様を静かに省みる機会をもつこと。

爽やかな秋風にそよがれながら心静かに坐り、身とこころを調え、季節の変化や家族の心の機微を感じ取れる自分自身でありたいものです

平成28年8月(兵庫県観音寺住職 平岩浩文)

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